視覚認知検査
日常生活では目からの情報が非常に重要な要素となっています。

目で物を理解しているのでは無く、脳で情報処理を行い図形や文字、遠近感や位置関係を理解しているのです。

視力検査だけで「見る機能は100%問題ない」と判断する事は間違いでもあります。

視力や両眼視機能、必要に応じ視覚認知検査などトータルに検査を行うことで、弱い部分が分かるのです。

視覚認知が悪いと、目から入った情報を脳内が上手く処理出来ず、図形の形や位置関係、物を記憶する能力、
遠近感や方向性が理解しにくい状態となってしまいます。

視力が良いから認知力も良いとは限りません。

もう一つ大切な事は、眼球自体に異常が無いかを確認する必要があります。

視知覚認知検査を受ける前には必ず眼科を受診し、眼疾患や潜伏性遠視などの有無をチェックする事が大切です。


視知覚認知検査を受ける前に、必ず眼科受診を行ってください。

眼科にて【入力系】に問題が無いかを確認することは、非常に重要な要素となります。

お住まいの近くの眼科を受診する際は、次の機能を検査してもらってください。

 眼疾患 目の病気の有無
 遠見視力 遠くを見るための視力 ※特に潜伏性遠視が無いかを確認してください
 近見視力 近くを見るための視力
 屈折異常の有無 遠視・近視・乱視の有無
 眼位異常の有無 斜視や斜位の有無
 輻輳力 眼球の打ち寄せなどに異常が無いかの確認
 立体視 立体的に物を見ることが出来ているかの確認
 調節機能 ピント合わせが問題無く出来ているかの確認
 その他 メガネやコンタクトレンズの要否

眼科にて上記の機能チェックを行わずに視知覚認知検査を実施した場合、視知覚の検査結果に影響を及ぼす事が考えられます。

視知覚認知検査をご希望の方は、まず眼科にて上記の機能チェックを行い、機能に問題が無いかを医師に確認してください。

可能であれば視知覚認知検査を理解されている眼科を受診することをお勧めします。

ご紹介する事も可能ですので当方にお問いわせください。

 ☆ 黒板の字や図形を、ノートに書き写すのが苦手
 ☆ 読む速度が遅い
 ☆ 行を飛ばして読んだり、同じ行を繰り返し読んでしまう
 ☆ 探し物を上手く見つけるのが苦手
 ☆ 図形を理解しにくい
 ☆ 上下左右の認識が苦手
 ☆ 鏡文字を書く
このような事が思い当たる方は一度視覚認知検査をお勧めします

視知覚の発達は3歳半から7歳半までが最大となります。

視知覚障害があると、ゲームやスポーツが不得意になり、自分で服を着たり身の回りの事が出来にくい場合があります。

このような事も年齢を重ねる上で、徐々に改善又は離脱する場合が多いのですが、その時期が来るまで他人と自分を比較し、
自分の不得意な部分に悩み、苦しむ事になる場合もあります。

視知覚障害の有無や視知覚障害のどの分野が不得意なのかを検出するのが視知覚発達機能検査です。

図形を認識出来なければ、文字を認識しにくい為、結果的に漢字や単語を理解しにくくなります。

このような場合は、図形を認識するトレーニングが必要となります。

このトレーニングは短期間で結果が出にくいため、長期間のトレーニングが必要であり、
そのトレーニングに向き合う意欲が無ければならないことを理解して下さい。

検査においては、視知覚認知検査~眼球運動検査の項目の中から最良と思われる検査を行います。

視覚発達機能検査にはいろいろな種類がありますが、
当店では

平成29年9月に日本で制作された検査で、視覚処理速度や目と手の協応運動との連携などを検査することが可能です。
検査は7項目と4項目の補助検査にて構成されています。

小学校入学前の児童や、WAVESが検査できない方などに用いられます。
1 視覚と運動の協応
2 図形と素地
3 形の恒常性
4 空間における位置
5 空間関係

視覚処理の総合力を検査をおこなう時に用いります。
1 識別(マッチング能力)
2 視空間関係
3 視覚的短期記憶
4 図と地
5 閉合
5項目の検査を行い合計点から総合力を判定します。

この検査は脳内での視覚処理のみを検査します。よって協応運動との連携などは検査できません。
1 図形の識別
2 単一図形の記憶
3 視空間関係
4 形の恒常性
5 連続図形の記憶
6 図形と素地
7 形の閉合
7項目の検査を行い個別の機能を検出します。また4つの総合的な機能をも判断します。

目の動きに関する機能を検査します。
検査は3項目から構成されており、垂直方向と水平方向の読む速度や、動きの正確度を検出します。
眼の動きが悪いと「行を読み飛ばす」「繰り返し読み」「探し物が苦手」などに影響します。
また、処理速度や運動(特に球技)にも大切な機能の一つです。

目と手の協応や図形構成、図形認識などを検査します。
実際に書いて行う検査ですので、書くことを嫌がる場合は検査できないことがあります。

の中から数種類の検査を行っています。

年齢や理解力によって選択する検査が違ってきます。(検査方法を理解出来ない場合は測定不能となる場合があります)

検査料金は眼球運動検査および視知覚認知検査、検査結果報告書などを含め ¥8,250(税込)~¥11,000(税込)程度となっています。

ご注意:検査代金は保険適応外のため自費となります。また検査の内容によって料金が変動する場合がございます。

検査時間は一人に対し1時間30分~2時間を予定しております。(問診や保護者からの質疑応答も含む)

検査の結果およびトレーニング内容については約1週間後にご説明させていただきます。

よって検査日と説明日の2回来て頂くことになりますのでご了承ください。

また検査および説明においては完全予約制となっておりますので、検査をご希望の方は当店(0972-62-2970)へ予約をお願いします。
電話受付時間は営業日の09:00~18:00となっています。下記の(検査を予約する)からでも予約可能です。

  ご予約の際は下記の項目(1~5)を連絡してください。
   1 お子様の氏名   2 生年月日   3 住所   4 携帯番号   5 事前の受診した眼科のお名前
   6 お子様の気になる点など
   

注意:予約状況によりご希望の日時に予約できない場合があるのでご了承ください。
   特にメールにてご予約の際は、必ず連絡先(携帯番号)の記載を忘れずにお願いします!
   ※ご予約に関しては、検査料金と検査時間を了承した上でご予約をお願致します


注意:これらの検査は視覚処理機能を検査するものであり、眼疾患の治療を目的としたものではございません。

眼疾患についての治療・ご相談は眼科にてお願いします。

また、この検査のみで発達障害の有無の判定は出来ません。

視知覚認知検査の勉強会・講演会の依頼について

学校内での研修やPTA研修、企業内勉強会、行政主催の研修会やママ友グループの勉強会など、視知覚認知検査についての勉強会や講演会を随時受けて受けております。


講演時間は60分~120分以内で実技も含みます

当店より片道1時間圏内  講演時間120分以内30,000円(税込)+交通費など

当店より片道2時間圏内  講演時間120分以内35,000円(税込)+交通費など

当店より片道3時間圏内  講演時間120分以内40,000円(税込)+交通費など

当店より片道3時間~   講演時間120分以内45,000円(税込)+交通費など

※講演時間プラス1時間毎に、プラス10,000円ずつで承ります
※交通費にはガソリン代、高速代、駐車場代などが含まれます。宿泊を伴う場合は、別途宿泊費・諸経費がかかります
※相手様が企業様向けの場合上記と異なる場合がございます
※ママ友グループ(少人数のグループ)などにおいては料金の相談をお受けいたします

当ホームページの「お店の紹介」に、今まで実施した講演会を記載しています

光の感受性(過敏症状について)


光の眩しさによる影響

蛍光灯やLED照明、太陽光などの光に対する過敏性により、印刷物の文字がかすれて見える、歪んで見える、あるいは動いて見えるなどの症状を自覚する場合があります。
また羞明感(まぶしさ)に起因する二次障害として頭痛や吐き気、眠気や目の疲れなどの症状を訴えることも見られます。

このような症状をアメリカでは、アーレン症候群(アーレンシンドローム)と呼ばれており、欧米では1980年頃より研究が始まり、日本では2006年頃より検証が始まっています。
日本では「光の感受性障害」や「光の過敏症」と呼ばれているが、正式な病名とは認知されていません。

光の眩しさによる症状は有色フィルターや着色レンズ、偏光レンズや遮光レンズなどを用いることにより、症状の改善を見ることがあります。色の種類や濃度は個人差が大きく、濃い色だから眩しさが軽減するとは限りません。
有症率は小児(欧米)で22%~33%、成人(日本)では6%と言われています。
ディスレクシアにおけるアーレンシンドロームの出現率は30%~46%と報告されています。

自覚症状の一例としては、ピリオドやカンマが見えなくなったり、i の上の点が消えてしまうことがあります。b や d や p の文字の混乱 m や uや w や n や h の判断が難しい、a や e や o や u の文字は同じに見えるなどです。またフォントによる違いもあり、明朝体は見にくく判断しにくいが、ゴシック体は 見やすく判断しやすいなど、文字の種類によっても症状に違いが発生します。

通常の見え方
細い線の部分が消えたように見えるため
正確な文字の判断が出来ない

近年は、分かりやすい字体(フォント)としてUDフォント(UD書体)が使用されるようになってきました。 UDフォント(UD書体)は、ユニバーサルデザインに対応していて、年齢や文化、身体的障害などの如何にかかかわらず、 誰にでも読みやすいように作られているフォントのことです。


学習においての自覚症状
光の過敏症状として次のような症状を訴える場合は注意が必要です。

・文字の判読に時間がかかり、読む速度が遅い

・効率よく読むことが出来ない

・読むと疲れを強く自覚する

・読みたいという意思に反して読み続けられない

・読むことで頭痛や吐き気をもようすことがある

・LED照明などの明るい光の下にいるとイライラ感を自覚する

・直接照明より間接照明の場所を好む

・室内でもカーテンを閉めた方が楽に感じる

・暗い部屋で勉強を行うと疲労が少ない  など

同じような症状でも、眼の疾患(病気)や屈折異常、両眼視機能不良などが原因となっていることがあるため、必ず眼科受診を行い、自覚症状を引き起こす可能性がある原因の有無を確認しておくことが大切です。

海外での報告において、アーレンシンドロームの対象者と判断された55名のうち、発達障害(医療機関で医師の診断を受けた者)の併存が見られた者が39名(59.1%)認められています。障害の中でもASD(自閉スペクトラム症)が37.9%と最も高く、次いでADHD(注意欠陥多動性障害)が28.8%、LD(学習障害)が10.6%の順であったとの報告もあります。


有色フィルターの要否
読むことを苦手とする場合、眼球運動機能の影響を考慮する必要があります。
眼球運動機能についてはDEM検査(Developmental Eye Movement Test:読字における眼球運動検査)を用いていチェックを行います。
有色フィルターは色々な種類があり、色の種類や濃度などを選択し、自覚症状の改善度やDEM検査の結果などを参考し、児童の場合は保護者と相談の上で有色フィルターの要否を判断します。

要否において注意が必要な点は、
・生まれつきあらゆる感覚が人一倍過敏な人(HSP : highly sensitive person)
・全く同じ症状でも光の感受性障害と思いこまないこと
・眩しさに関して急激な自覚症状の発症においては特に注意が必要となり、「いじめ」「家庭内DV」「友達と一緒の物が欲しい」など色々な要因が背景に見え隠れする場合もあります。


有色フィルター有効性の確認
眩しさの有無については自覚的な判断が主症状となります。
まず有色フィルターを使用することにより、症状の改善が認められるかなど自覚的な判断が優先されます。
しかし実際に有色フィルターを使用することにより、『読む速度』や『読む正確度』にも改善が認められるかの判断も慎重に行うことが大切です。実際に光の感受性障害が疑われ、有色フィルターを使用している方を提示します。

症例 1
11歳(小学校6年生)の女子
裸眼の状態にて眩しさの訴えが顕著であり、音楽の楽譜が見にくいなど読みに関しての苦手さを自覚してた。眼科にて器質的疾患が無いことを確認後、DEM検査(読字による眼球運動検査)を実施しました。

検査項目 フィルター無し(秒)フィルター有り(秒)11歳 平均値(秒)
TIME1(縦方向) 35.130.029.7 (23.6~35.8)
TIME2(横方向) 51.932.536.1 (29.3~42.9)
ERRORS(間違い数)  0(個) 0(個)1.26 (0~5.06個)
RATIO(比率) 1.481.081.23 (1.09~1.37)
DEM検査の結果(読字における眼球運動検査)

検査の結果、裸眼(有色フィルター無し)においては、横方向の読む速度に時間の延長が認められ、比率の数値から、読む際に眼球を動かす正確度が低いことが検出されました。次に自覚的に眩しさが軽減し楽に読める色の選定を行い、選ばれた有色フィルターを使用して再度DEM検査を行い有色フィルターの有効度を確認しました。結果は、横方向の読む速度の時間短縮と、正確度の改善が認められたため、保護者を含め相談の上で有色フィルターメガネを使用することとなりました。

検出された数値を用いて【Analysis by Age 11:11歳の平均値と比較】・【Analysis by Grade 6:小学校6年生の平均値と比較】した結果です。
左側は有色フィルター無しで検査を行った結果で、赤い帯の部分がAbnormalとなっています。右図は有色フィルターを使用して再度検査を行った結果です。赤帯の部分がNormalと判定されており、機能面の向上が認められました。自覚症状においても眩しさも無くなり、紙面上の文字(明朝体)も読みやすくなったとのことです。

症例2
7歳(小学校1年生)の男子
屋外での眩しさと白い紙面が眩しすぎて文字全体や文字の一部が消えてしまうことがあり、検査を希望され来られた児童です。眼科にて器質的疾患が無いことを確認後、DEM検査(読字による眼球運動検査)を実施しました。

   検査項目フィルター無し(秒)フィルター有り(秒)7歳 平均値(秒)
TIME1(縦方向)67.167.842.3 (33.8~50.8)
TIME2(横方向)102.991.062.5 (48.1~76.9)
ERRORS(間違い数)24 (個)   5 (個)5.72 (0~11.92 個)
RATIO(比率)1.531.341.50 (1.19~1.81)
DEM検査の結果(読字における眼球運動検査)

時間的な数値変化は少ないですが、読み間違いや読み飛ばしなどの間違い数が顕著に減少しています。しかし時間の延長が認められており、トレーニングの導入を検討することとしました。間違い数の改善や自覚的な眩しさが顕著に減少したため、保護者と相談のうえ有色フィルターを使用することとなりました。

左の写真は後日顕著な改善が認められたため、保護者から送られてきた画像です。
左側は裸眼(有色フィルター無し)にて書写を行ったもので、右側は有色フィルターを使用して書いたものです。書かれた時点ではビジョントレーニングなどはおこなっていません。




検査時間と費用について
検査自体は30分から1時間程度を予定しております。 ☆完全予約制となっています
検査費用は¥2,750(税込)となります。(注意:保険適用外です)
下記の「検査を予約する」または、お電話にてご予約をお願い致します。電話受付時間は営業日の09:00~18:00となっています。
電話番号:0972 – 62 – 2970




光の感受性障害は特別な事ではない!
日常生活において音や光、味などの過敏症状を有している人は多く存在します。

例えば、
・みそ汁が濃く感じる → 対処法として “お湯で薄める”
・音がうるさい → 対処法として “耳栓をする”
・光が眩しい → 対処法として “サングラスを使用する”
ということは当たり前に行われています。

光の眩しさは大人だけの症状ではなく、子どもでも自覚する症状であり、大人が行うように【光が眩しいのでサングラス(有色フィルター)を使用する】だけのことなのです。
光の過敏症は特別な事ではなく、周囲の人々が理解し、適切な環境整備や合理的配慮を行うことが、光の過敏症状を有している子供たちのとって何より大切な事ではと思われます。

参考文献
佐藤七瀬、新井里依、角田茉里恵 他(2021):アーレンシンドローム者の視機能に関する検討.LD研究、Vol.30 No2,126-137
熊谷恵子(2013):アーレンシンドローム-「色を通して読む」光の感受性障害の理解と対応-金子書房
川端知世、村瀬 忍、熊谷恵子他(2011):読み書き障害のない日本人大学生の音読課題における色フィルムの効果。LD研究、20,130-136

全国の視知覚検査を行っている Joy Vision グレープ

視知覚認知検査に関する詳しい情報は【視覚機能研究会のホームページ】に掲載されています。

視知覚検査のことを知りたい方

お近くの視知覚検査を行っている場所をお探しの方

全国の情報が掲載されていますので、一度ご覧ください

また、より専門的な勉強を行い方などは【視覚発達支援研究会おホームページ】をご覧ください