眩しさの軽減を目的としてサングラスが用いられることが多いと思います。
一般的なサングラスは全ての波長(短波長~長波長)をカットするため、トンネル内などでは暗く見にくくなってしまいます。
また商品によっては眩しさの原因となる500nm以下の波長や、網膜に悪影響を及ぼす400nm以下の波長はカット出来ません。

しかし機能面を重要視したレンズはサングラス同様レンズに色が着色されていますが、不必要な波長をカットする目的で制作されており、一般的なサングラスとは大きく違います。
安易なサングラスの使用は目を傷める原因ともなるのでご注意ください。

また無色のレンズにおいても技術の進歩により、より高機能レンズが開発されています。
当店はレンズも Made in JAPAN にこだわった、高機能レンズを取り揃えています。

遮光レンズ

遮光レンズは網膜色素変性症や高度羞明(強い眩しさ)に用いられるレンズで、あまり耳にしないレンズと思います。
日本ロービジョン学会のガイドラインには『グレア(眩しさ)の軽減、コントラストの改善、暗順応の補助などを目的として装用する光吸収フィルターを用いた眼鏡』となっています。
現在遮光レンズは多くの種類が発売されていますが、目的に合ったレンズの種類や濃度を選択することが大切です。

                    伊藤光学工業株式会社「シェイド」

遮光レンズには必ず「分光透過率曲線」が表記されています。
この曲線はどの波長がカットされているかを確認する時に必要となります。

例えば 伊藤光学工業株式会社の遮光レンズ「シェイド」では、
 ・眩しさの軽減を目的
   500nm以下の短波長をカットするレンズ ➡「オレンジ」「カーキ」「ブラウン」のレンズが有効です
 ・見やすく感じることが目的
   錐体細胞の感度が高い555nm付近の透過率が高いレンズ ➡「ベージュ」「オークル」「シナモン」のレンズが有効です
 ・暗順応時間の短縮
  桿体細胞の感度が高い510nm付近の透過率が低いレンズ ➡「オレンジ」「カーキ」「ブラウン」のレンズが有効です

HOYA株式会社 RETINEX

東海光学株式会社 CCP/CCP400

遮光レンズは伊藤光学株式会社のシェイド以外に、東海光学株式会社のCCP/CCP400やHOYA株式会社のRETINEXが販売されています。
目的に合った分光透過率曲線と実際にレンズを通した見え方を確認し、色や濃度を決めることが大切です。
当店は「伊藤光学株式会社」「東海光学株式会社」「HOYA株式会社」のテストレンズをご用意していますので、実際に体験することが出来ます。
なるべく天気の良い日にお試しすることを推奨します。

機能面に特色のあるレンズ

年齢を重ねると見る力も低下し、見え方自体も変化してきます。
20代の頃と比べて色の見え方にも違いが発生します。くすんだ色の見え方を改善するレンズが【ANZU:杏】です。

年齢を重ねた目は、くすんだ色に見えてきます。
特に水晶体が混濁してくると、くすんだ色に見えてくるのですが、目の中にある水晶体が何年もかけて徐々に濁ってくるので自分でも気が付かないことが多いようです。
伊藤光学株式会社から発売された『ANZU:杏』は人が色の違いを感じやすい赤や青緑といった特定の色を優先的に鮮やかに見せることで、視野全体を効果的に鮮やかに見せるような波長をコントールしました。

ANZU(杏)の440nmと560nmの光をピンポイントで吸収します。
なだらかな特性を持つ一般的な染色レンズとは全く異なるものです。
店内にテストレンズを常備しておりますので一度お試しください。

偏光レンズ/調光レンズ

偏光レンズは釣りをされる方に多く使用されているレンズの代表格で、水面に発生する乱反射が除去され水中の魚などが見やすくなるレンズです。

偏光レンズは偏光膜をレンズ樹脂の中に挟み込み、一体成型した物が一般的です。
太陽光を含めた通常の光は、色々な方向に振動する電磁波が発生し、様々な方向に振動する光の集まりです。
釣りにの用いられる理由としては、水面のギラツキが排除されるため、眩しさの軽減や水中での見え方の改善などが得られます。

光において入射面と同一な縦方向の変更をP偏光と呼び、これと直行する横方向の変更をS偏光といいます。
偏光の原理は、通常透明な境界面でランダム偏光が反射する時、S偏光成分を多く含む反射光のほとんどがカットされ、縦方向のP偏光のみを通すようになります。S偏光がカットされたことにより水面のギラツキが排除され、水中の魚が見やすくなるという原理です。

調光レンズはあまり知られていないレンズではと思いますが、使い方によっては非常に便利なレンズです。
屋外ではサングラスが必要だし、屋内では無色のメガネも必要。でも2つのメガネを持ち歩くのも面倒だ。
という方には非常に便利なレンズです。

調光レンズとは紫外線に反応してレンズの濃度が変化するレンズのことです。
暗い場所や屋内では無色に近い状態ですが、屋外では紫外線に反応して濃いサングラス状態へと変化します。しかし、繰り返し使用すると、退色に時間がかかるようになり、退色自体がしにくくなります。また屋内でもやや着色されて状態となってしまいます。これはレンズの経年変化による現象です。
注意点としては、車の運転時において車のフロントガラスは紫外線カット機能が付いているため、社内では紫外線に反応せず、レンズの色が変わらないことがあります。しかし最新の調光レンズは可視光線に反応するようになっているため、車内でも屋外と同様に着色するレンズがあるようです。