見ることの大切さとは?

視力とは?
一般的に「視力」といえば、良い、悪いと表現される事が多くあります。

つまり裸眼視力(メガネなどを使用せずに測定した視力)が1.2や1.5見えれば「視力は良い」。裸眼視力が0.3や0.5なら「視力が悪い」と判断している方が多いと思います。たしかに間違った見解ではありませんが、視力はもっと奥深い物であり、裸眼視力だけで「良い」「悪い」を判断したり、そのまま放置する事は間違っています。視力低下を起した原因を解明する事が大切です。

視力検査は5mの距離にて行われることが多いのですが、この視力検査だけで目の良し悪しを判断することは非常に危険です。

「学校の視力検査がAなので、目は全く問題無い!」
この判断は間違っていますのでご注意ください

視力の発達
視力は生後早期よりかなりの発達が見られます。

物を見る機能の発達に大切な時期が生後早期にあるため、感受性が一番高い時期は1歳半といわれており、だいたい8歳頃まで続くと考えられております。

この時期に、眼球に良い刺激を受けていれば、視力の発達に良い影響が得られます。しかし、眼球に悪い刺激を受けていれば、視力の発達に悪い影響が出てしまいます。この場合の悪い刺激とは、何らかの原因で目の中の網膜(カメラのフィルムの役目をする組織)に綺麗な像ではなく、ピンボケ像やかすんだ像等が写ることです。

脳の発達にも「綺麗な視覚情報」が大切な要素となります。
視力は五感の中でも大きな割合を占めており、人間の五感による知覚の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚は1%といわれています。
人間が受け取る情報のうち、8割は視覚からの情報と言われています。

つまり、早い時期に「悪い刺激」が無いか探し出す事は大切です。特に「3歳児検診」は非常に大切ですので、必ず受けるようにしましょう。就学後に見つかった弱視では、早期に適正な度数のメガネを使用する必要があります。

遠視や乱視は特にご注意が必要!
遠視ら乱視が有り、いつも目の調節を使用している場合など、目の疲れや眩しさなどを訴える場合があります。

大人では眼精疲労や近くの文字がぼやける、偏頭痛、肩こり等の症状として認められます。大人は以前の状態と比較できるので、自覚的に「以前と比べて最近は変」と判断できます。しかし、子供の場合は生まれてから現在の状態が続いているのですから、「以前と比べて最近は変」とは判断できないのです。

しかし、子供は行動で親に「異常」をアピールしています。小さなアピールですので、親が見落とさないよう注意する必要があります。

「あれ?」と思ったら、とにかく相談や検査をお勧めします。このことは大人でも子供でも同じ事が言えます。

視力が低下した場合、必ず正確な検査が必要となります。また、屈折異常以外にも「目の病気」が隠れているかもしれません。必ず一度は眼科を受診し、病気の有無を見てもらいましょう。眼科では屈折検査を行うにあたり、調節麻痺剤(目の余分な力を麻痺させる目薬)を使用し、屈折値を測定する事があります。特に遠視においては、調節麻痺剤を使用しなければ隠れた遠視を測定する事は非常に困難です。この検査結果により治療方法も変わってくる場合があります。

眼鏡店においては、認定眼鏡士のお店で相談する事をお勧めします。日常的に両眼視機能検査や検影法などの検査を行っているお店や、検査の結果や相談内容によっては、すぐに信頼のおける眼科を紹介してくれるお店を探しましょう。

また、「メガネをかけたら度が進む」「かけはずしすると度が進む」などよく聞きますがこれは間違いです。度数の変化は体の成長や発育、生活環境によって進行しますので、メガネを装用することと、度数の進行は関係ありません。

視力のチェックではなく、視機能のチェックが大切!

見る機能は一般的に遠方視力(5mの距離にて測定される視力)と思われていると思いますが、学習や運動、日常生活を送る上では「色々な見る機能」を必要とします。この「色々な見る機能」が『視機能』となります。


『視機能』には
 ・遠方視力(5m視力)
 ・近方視力(約30cm視力)
 ・同時視(両方の目で同時に見ること)
 ・融像(左右の目で見た情報を脳内で一つにすること)
 ・立体視(立体的に見ること)
 ・輻輳・開散(両眼を鼻側に寄せたり開いたりすること)
 ・調節力(ピント合わせ能力のこと)などが代表的な機能となります。
また検査においては眼位(目の位置)検査なども必要不可欠な機能検査となります。

このような機能チェックを行い、メガネの度数を決定することが非常に大切です。
ただ単に左右の見え方が同じなら良いという考えは危険な要素を含んでおります。

【見えるけど、何となくしっくり見えない】などは特に視機能のチェックが必要です。
視線のズレや機能面での改善にプリズムレンズを使用することにより、いろいろと改善する場合もあります。

パソコンに使用するメガネは詳しい検査を!

近年、携帯端末普及やパソコン作業などにより「スマホ老眼」なるものがメディアに取り上げられています。
携帯やパソコン画面を見るときは瞬きの回数も3分の1まで減少するといわれており、目の疲れや頭痛などに影響を及ぼします。
また、ドライアイの症状も強く自覚することが多々あります。


老眼鏡を含め、近くを見るメガネは「目と見るものまでの距離」が非常に重要な要素となり、機能面では「両眼視:両方の目を効率よく使用する」ことが大切です。


当店ではこの両眼視検査を実施するため『両眼開放屈折検査』を取り入れています。

この検査機器を使用しパソコン用のメガネを検査いたします。調節や輻輳、眼位異常(斜視や斜位)等を検査し、ご自身に合ったパソコン用メガネをお作りいたします。

ディスプレイまでの距離により、選定されるレンズ度数が違ってきますので、必ずご自分の目からディスプレイまでの距離を、メジャーなどで測定しご来店下さい。

「長時間パソコン作業をすると目が充血する」

「パソコン使用後は目がチカチカする」

「ディスプレイを見ていると文字が二重に見える又はかすんでくる」

 などの症状がある方は、一度正確な検査をおすすめします。